2011/02/18

エジプトの表と裏、SNSの未来





世界最大のSNSサイト"Facebook"創設者マーク・ザッカーバーグの半生を
鬼才デビッド・フィンチャーが映画化。




この映画の凄い所は、ターゲットの人物が今も尚、若く、生きているという事。

前評判も高く、予告の魅せ方も魅かれる。
勿論、まんまと観たいと思わせられる。


単純に面白かった。


資産は69億ドル「世界で最も若い億万長者」
輝かしいアメリカンドリームの話ではなかったと思う。

さすが、デビッド・フィンチャー。
けど、脚本が素晴らしいと思った。
2つの時間軸を行き来する構成、
伝記的話のはずなのにサスペンスかと思わせる。



若くして手に入れてしまった多く、
野心やプライド、成功と裏切り、そして嫉妬、友情、愛、
何もかもが渦巻き、錯綜し、泥々になって行く人間関係。

生きていく中で誰しもがぶち当たる局面、
それが彼には余りに早いスピードで一度に降りかかった。


「大きな成功」の裏側には必ず「大きな痛み」があると思う。

1人のヒトが抱えられるモノのキャパシティは決まっていて、
何かを掴む時、きっと知らずして何かを手放すんだと思った。


どんな偉人たちもその心には「痛み」を抱えて生きて来た。


ヒトは誰しも完璧では居られない。


「ハーバードの学生がやるべきなのは他人に雇ってもらうことではなく、
仕事を創造することだ」

劇中、ハーバード大学の学長の詞がひどく印象的だった。




この映画の日本での公開中、
1ヶ月余りも続いたエジプトの大規模デモ。
この映画を観て、このムーブメントに頭が繋がったヒトは少なくないと思う。


そして、30年余りの独裁体制が続いた「ムバラク政権」が崩壊。

歴史が動いた。


今回、首都カイロに集まった数十万人から二百万人の群集たちの情報源は、
新聞、TVなどの従来のツールではなく、
「SNS」、
"facebook"や"twitter"、"Google"、現在のネット上の新しいツール。


エジプト政府は、デモ発生初期から度々
ネット遮断や携帯電話の停止措置をとってきた。
ところがこれらが、エジプト反政府デモを後押しし、
エジプトの民主化の流れは止めようのない、大きな流れになった。


"twitter"共同創業者ビズ・ストーン氏はこう述べたそう。
「"twitter"の目的は人々をつなぐこと。 
そのためには表現の自由が守られなければならず、
つぶやき(tweet)は流れ続けなければならない。」


実際、「民主化」がネットでの結びつきだけで成されたとは言えないが、
無かったとすれば、
この歴史的快挙は成されなかったのも事実だろう。



エジプト、「SNS」、現在のヒト人

私にはこの写真はとても心に遺こる1枚だった。



現在、誰かと面と向かって対話をしなくてもいい時代になった。


インターネット。

その功績、便利さ、愉しさ、
勿論私自身にも今無くてはならないモノとなった。
しかし、コレに頼り切ってはいけない、と再認識させられた。


"ヒト"対"ヒト"は決してそんな簡単でも陳腐でもない。


長く独裁政権であったムバラク大統領の退陣は大きな一歩前進で、
やっと群集の力で歴史の1ページを捲った。

今は30年も1人のヒトが国を治められる時代じゃない。

けれど、「民主化」といわれているが、
本当に「民衆の手に」政権運営が移行されるとは思わない。

問題はこれから。

今後、どういった政権が表に立つかは未知だが、
その政権によっては、新たに戦争や抗争が起こる可能性もあると思う。

中東の軍事的産業や石油産業、まだまだ引き金が無数にある地域だから危ない。
当初ムバラク大統領を擁護していたアメリカの切り返しも、
そして、これからの中国の動きも、また、気になるところ。
このムーブメントのエネルギーや行動の裏側に潜む影が
たくさん見え隠れしている。


興ったモノが大きければ大きい程、やはり影も大きい。



"ヒト"対"ヒト"。

この1ページから次の2ページへ間違わないで進んで欲しい。






Yuuki

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